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◇◇◇ 「っ……ゃ……っ……」 「ああ、今日もよく締まる。記憶は飛んでも相変わらず良い身体だ。このまま空っぽになっても暫くは捨てずにオモチャにしてやるから感謝しろ。いや、飽きたらならず者に下げ渡せば市民も喜ぶか」 どれ位の間、意識を飛ばしていたのか。 ユキが白い世界から戻ってきた時も王子様はユキの胎内を弄びつづけていた。 ぐじゅぐじゅと醜い水音と荒い息遣いと甘い声が朝日の差し込む室内に響き渡る。 記憶にないからわからないけれど、きっとユキは初めての筈なのに、男同士なのに、王子様に抜き差しされるユキの身体は快楽をなぞり、胎内が王子様の肉欲を歓び求める。 忘れてしまった自分とはそんなに浅ましい生き物だったのかと絶望が心に広がった。 ふと視線を飛ばせば王子様の命令で目を反らす事が許されないアレクシが両目から涙を流しながら膝の上で握った手を白くさせている。 「出すぞっ!!」 「う、っ……ぐっ!!」 胎内に注がれる熱い毒に目眩を感じる。 そう、これは巻き込まれただけのユキを穢し辱め貶し、元の世界から乖離させる毒だ。 まだ知り合ったばかりだけれど、唯一頼れると思ったアレクシの前で、触られるのも嫌だった筈の王子様から与えられる快楽という暴力にユキの心も身体も書き換えられ脆く崩れていく。 また白くなっていく。
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