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さっきから仁王立ちの私の前に正座してうなだれている男の子。
「何回言ったらわかるのかしら」
「すいません」
「その頭の中はからっぽなのかしら」
「すいません」
「お風呂は覗いたらダメだって何十回も言ってるよね、このセクハラエロ神」
私の名前は、森沙耶。資産家だった祖父母が亡くなり、この家に移り住んだ。その直後、父の海外転勤に母もついていき、この家で当主として一人暮らしが始まる……と思っていた。しかし、そうではなかった。この家には、一柱が住んでいる。この大きな家に相応な大きな神棚に祀られている屋敷神の大。この家が建った時から憑いているからかなり古い神様らしい。
この屋敷神の大がとにかくエッチなのだ。何回言っても、私のお風呂やトイレを覗きにくる。今もお風呂覗きの罰で、すでに五日間お供えをあげていない状況下での覗きの重犯である。
「もう五日間お供えなし期間の延長ね」
「うっ、すいません。反省してます。本当に。だいぶ神力も弱ってきているし、せめて水だけでも」
「はあ、じゃあ何でまたお風呂覗いたのよ」
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