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「ぐぬぬぬ」
隣から話しかけてくる絢音の言葉を無視して5分ほど考えていたけれど正直降参だった。ヒントなしでは解ける気がしない。
このままでははじめの大事なものが奪われてしまう危機だ。
「おやおやはじめくん。全然進んで無いじゃあ〜りませんか」
ふざけた口調で絢音が言うのは誰かのモノマネなのか分からなかったけれど、馬鹿にされているだろうことだけはわかった。
「何だよ、お姉ちゃんだってどうせわかってないだろ」
さっきまでの問題はたまたま絢音が先にピンとひらめいたみたいだけれど、この超絶難易度であろう問題は流石に頭のいい絢音といえどまだ分からないはずだ。
「ん〜?」
ニヤっと絢音が意味深に笑う。
「え、嘘でしょ」
「だーかーらー。あんまりお姉ちゃんをなめちゃダメだよ。なんてったって生徒会長だったんだから」
「生徒会長は関係ないでしょ」
「関係あるよ〜。だっておんなじ血が流れてる姉弟で、しかも両方謎解き研究部部長経験者なんだから、違うところは生徒会長だけじゃない?」
「ええーっ、そう言う問題かな」
なんだか言ってることは無茶苦茶な気がする。
それに……。
「ほんとにお姉ちゃん分かったの?」
ニヤニヤと分かったような表情をしていたけれど、実際ほんとに答えに辿り着いてるかは怪しいところだ。
「当たり前でしょ。だからさっきも言ったじゃん。はじめは現代っ子だから分からないんだよ」
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