第一話 怪盗Aからの挑戦状⁉︎編

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「そうだよ、今時のデジタルに慣れた若者だから分からないんだって」 「お姉ちゃんだって二つしか変わらないじゃないか」 「いやいや多大なるジェネレーションギャップだよ。もうちょっとアナログな視点を持ってもらいたいもんだね」 なぜか偉そうな絢音を横目に見ながらはじめは問題に向き直った。 7+8は本当なら15。それなのに3となっているのが計算間違いじゃ無いとすると、それはどういうことだろう。 15が3、15が3、15と3。 「うん?」 15が3? もしかして……? 「時計?」 はじめは絢音の方を見ながら呟いた。 「おっ」 「時計の針だ。だから3つ目の式までの答えは12以下だからそのままだけど4つ目の答えは15時まで針がないから3になってるってことだね」 「うんうん」 「ってことは問題の12+12の答えは12ってわけだ」 「おー」 絢音が手を叩く。 「なかなかやるじゃない」 「これくらい楽勝だよ。勘が戻ってきたって言ったじゃん」 はじめはエッヘンと体の前で腕を組んだ。 「それにデジタルな若者でもちゃんとわかったじゃないか」 胸を張ろうとしたはじめはあることに気がついた。 「あれ? もしかしてデジタルだから分からない、アナログ視点じゃないとってヒントだったの?」 「当たり前じゃない。ヒントだと思ってなかったの?」 「うん、お姉ちゃんのことだからどうせ意味ないこと言ってるんだろうって……」 「痛っ」 ポカリっと頭を軽く叩かれる。 「心外だよ。はじめをそんな悪い子に育てた覚えはありません!」 もともと育てられた覚えはないけど、なんて言葉は飲み込んで「ごめんなさい」小さく謝った。 「しょうがない許してあげよう。問題はまだあるんだからね。次行くよ」
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