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「じゃあ紙とペンを借りてきたから、各自、自分の気持ちを書くように!」
「はぁい!」
「気持ち…気持ちねぇ」
何を書こう?
何を願おうか?
そんなもん最初から決まっている。
俺の気持ちは――。
「できた!」
「お、何て書いたんだ?」
「えへへ、ないしょー」
「彗斗は何て書いたの?」
「ふぇ! え、あ…内緒だ!」
「何よそれ!」
言えるわけないだろ。
まだ――な。
「じゃあ、せーので遠くに投げるぞ」
「怒られないかな?」
「そん時はそん時だ。成せば成る!」
我ながらよく分からない。
「せー…のッ!――」
# #
この時間が永遠に感じた。
足元の冷たい感覚。
なでるような弱い風。
放物線を描くラムネビン。
真上の太陽。
水面上の光の粒子。
空を彩る星。
キラキラ。
この時間が永遠に感じますように。
自分と。
彼女と。
いつかのこども。
三人で。
この時間が永遠になりますように。
届くかな。
――キラキラ。
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