第97話 進む道

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第97話 進む道

 ねえ、エリアスっち。どうしてドラゴンは1匹と言ったの?  あぁ、あれはパメラさん。1匹だけでも大騒ぎなのに、2匹も倒したなんて言ったら大変なことになってましたよ。  更に上位貴族にさせられ、また面倒な問題のある領地を与えられ、王国はそこに俺達を縛り付けようとするでしょう。  そうでなければ今頃、俺達はジリヤ国を出れなかったでしょう。  ヴィラーの村のことを最初から面倒な村だと思っていたの?  えぇ、話を聞く限りでは問題のある村だと分かっていました。  王国はキングを倒した英雄を縛り付けておきたい。  でも与える適当な領地がない。  俺は生活の安定が欲しかった。  お互いの利害が一致した訳ですよ。  でも今では、そんな面倒も悪くなかったと…。  あぁ、そう言えばダーリンは転移者だったんだね。  パメラさん、どうしたんですか?  それにダーリンなんて。  【スキル】情報共有を使った時に、なんとなく見えたのよ。  エリアスっちが日本と言う国で育ち、58歳で亡くなりこの世界に転移した、て。  だから私達の知らない様なことも、たくさん知っていたのね。  それにエリアスっちの世界では、最愛の人のことを『ダーリン』て呼ぶんでしょ。  だからこれからは、そう呼ぶわ。  それに女神ゼクシーの加護を持つ、愛し子だったなんて。  私達も女神様の眷属になってたりしてね。  きゃはははは!    もういいわパメラ、その話は。  これから、どうすんのさ。  ルイディナさん。我がままを言えば、海が見たいです。  海?  えぇ、山しか見てませんから、海沿い街に行って美味しい海産物を食べたいです。  なら、そこに行きましょうエリアス君。  え、良いの?オルガさん。  もちろんよ、私達はあなたの妻なの。  だからご主人様の思うまま、着いて行くだけですよ。  ルイディナさんと、パメラさんもそれでいいですか?  行こうか。  私も山の街から出たことがないし。  広い世界を知りたいわ。  このままジリヤ国を南に下れば、海の街らしいから。  そうですね。  海辺の街でのんびりして、美味しい海鮮料理が食べたいですね。  醤油もあるからお刺身なんて、良いかもしれませんね。  お刺身て?  え、生で魚を食べるの?  醤油を付けて食べると、美味しいですよ。    それならしばらくの間、冒険者家業はお休みね。  私達はあなたの妻なのよ。  着いて行くわ、どこまでも。  あなたの進む道の後を…。  ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  今まで愛読いただきまして、本当にありがとうございました。  本編はこれにて完結となります。 ※パメラのスピンオフ 『ご都合主義で生きてます。奥様は魔女(中二病)だったのです。-北の森の怠惰な魔女-』  公開中です。  よろしければご覧ください。  そしてこれからも、宜しくお願い致します。
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