第7話 森

1/1
前へ
/100ページ
次へ

第7話 森

 翌朝、冒険者ギルドに行くと、依頼を受けてくれる冒険者が見つかったとのこと。  紹介されたのはCランクパーティー『赤い翼』だ。 「俺は赤い翼のリーダー、アドレーだ。よろしく」 「俺はエリアスです。こちらこそ、よろしくお願いします」  アドレーさんは25歳くらい、大きな両手剣を下げ180cmくらいの人だった。 『赤い翼』は4人でメンバーを紹介された。  片手剣と大きな盾を持ったジェイさん。  動きやすそうな服装で弓を持ったエリノルさん。  斥候なのか軽い装備でショートソードを持ったランダルさんだ。  男性3人、女性1人のパーティだ。  念のため、鑑定をしておいた。 【スキル・鑑定】簡略化発動  名前:アドレー  種族:人族  年齢:25歳  性別:男  職業:剣士  レベル:20 【スキル・鑑定】簡略化発動  名前:ジェイ  種族:人族  年齢:23歳  性別:男  職業:重騎士  レベル:21 【スキル・鑑定】簡略化発動  名前:エリノル  種族:人族  年齢:22歳  性別:女  職業:狩人  レベル:18 【スキル・鑑定】簡略化発動  名前:ランダル  種族:人族  年齢:26歳  性別:男  職業:シーフ  レベル:19  う~ん。比較が分からないから、高いのか低いのかがわからないな。  そしてしばらく話し、特に異存もなく依頼となりそのまま街を出ることにした。  冒険者ギルドが選んだメンバーだ、間違いはないだろう。    俺はEランクのゴブリン討伐の依頼を受けた。  『赤い翼』の人たちに森での行動の仕方や、ゴブリン討伐の援護をしてもらう。  討伐部位はゴブリンの右耳だそうだ。  そして胸の中にある魔石を売れば、少しはお金になる。 『赤い翼』のメンバーたちとアスケル山脈の森を目指す。  聞いたところによると依頼でもない限りは、街から1~2時間くらいのところまでしか離れないとのこと。  あまり離れると暗くなる前に街に戻れないからだ。  時間の目安は太陽の上った位置を基準にしているそうだ。  アレンの街の東側にアスケル山脈と言う山がある。  その手前のアスケルの森が狩場だ。  街道から1時間くらい歩き、森の中に入り薬草について教わった。  森の中は果物があり今は6月。  時期によって採れる果実が違うはずだ。  『赤い翼』のメンバーにも探すのを手伝ってもらった。  アドレーさんとジェイ さんが警戒を、軽装のエリノルさんとランダルさんが果物を探してくれた。  それからグミの実やブルーベリー。   小さいがビワもどきやイチジク、硬いトウモロコシが見つかった。  山菜やキノコも見つかり、それをストレージで収容していった。  ストレージで収容しているのを見て『赤い翼』のメンバーがとても驚いていた。  使い方が間違っていると言われた 。  山に果物や穀物を取りに来ても、手に持てる範囲しか持てない。  でもマジック・バッグ(ストレージ)があれば、売るほど採れるからだ。  そしてしばらく森の中を歩いていると、小さい小人のような魔物3匹に出会った。  潰れた顔に大きく裂けた口、小さな牙が上向きに生えており肌の色は緑色。 「あんちゃん、ゴブリンだ」  アドレーさんが言う。 「まずが俺が見本を見せるぜ」  ジェイさんがそう言うと、ゴブリンに向かっていった。  ゴブリンの錆びた剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。  一瞬だった。  そして残りのゴブリンはエリノルさんが弓で牽制してくれた。 「今だ、エリアス君」  俺はアドレーさんの真似をしゴブリン剣を右から左に受け流し、返す刀で切る。 「グギッ!」  浅かったのかゴブリンが剣を振りかぶる。  俺は飛びのき剣を構え一歩踏み込み切り下げる。  これで一匹。残り一匹だ。  ゴブリンがめちゃくちゃに剣を振る。  俺はに剣を上から叩き、横に振った。 「グァ!」  ゴブリンの首から緑色の血が流れ倒れた。 「お~、凄いなあんちゃん」 「ほんと、初めてにしては落ち着ているわ」 「すげ~よ」 「安心して見ていられたよ」  みんな口々に褒めてくれた。  ゴブリンを倒した瞬間、なにか体に熱いものがこみ上げた。  レベルUPしたのか? 「ステータスオープン!」  名前:エリアス・ドラード・セルベルト  種族:人族  年齢:17歳(58歳)  性別:男  職業:フリーター  レベル:2  HP 50→55  MP 100→105  筋力  20→22  攻撃力 20→22  防御力 40→42  知力  50→52  器用さ 20→22  素早さ 40→42  運   50→52  EXP  0/30  状態:良好 【スキル】  生活魔法(火・水・氷・風・光)  世界の予備知識 【ユニークスキル】  異世界言語  鑑定  時空間魔法ストレージ(カスタマイズ可能) 【メンタルスキル】  沈着冷静:LV1  高速思考:LV1  魅力(人の心を引きつけ夢中にさせる力。発動しないこともある) 【加護】  女神ゼクシーの加護  愛し子  LVが2に上がりステータスも少し上がっている。  沈着冷静、高速思考にもレベルがあるのか。  戦っている間、妙に落ち着いて先読みができたのは、このスキルのおかげか。  だがこの後、俺達では太刀打ちできない、強敵に出会うとは思わなかった。
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!

237人が本棚に入れています
本棚に追加