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もう二度と寄りたくない場所。
私はそこを遠目でいいから確かめたかった。
よく向き合えば進めるというから行ったのだろう。
それが間違いだったのかそれともお告げだったのか。
そこで私は事実を知った。
何も知らない。顔も名前も知らない男から。
事実を知ればもうやることは一つだ。
だからここまで来たんだ。
もう後戻りなんてしない。
再会も偶然も笑顔も裏切ってやる。
壊してやる。
私たちを壊した林茉莉を。
私たちを捨てた桧山亜貴を。
いらない感情が生まれたって消せばいい。
終わればもう見ないんだから。
もういらない感情なんだから。
携帯を持つ手が震えている。
たった一つの数字を見続けて。
今までの過去を見過ぎて。
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