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つまらない。 学校も家も友達も。 だから私は同志が集まる公園にいた。 いつもと変わらない。 適当に話して、適当に笑って。 でもやることは褒められたことじゃない。 周りからすれば、ただの不良グループ。 そんな中に私はいて、その中の一人の恋人。 孤独を感じないならどうでもいい。 そんな考えで関係を深めた。 だけど、それにも飽きた。 都会でも田舎でもない場所。 そんな街の広場の端で騒ぐのを頬杖をつきながら眺める。 「茉莉」 私を呼んだのは恋人だった。 「今日はどうする? このまま家に来る?」 「あー」 この会話にも飽きた。 孤独は感じない。 でも何かが縛る。 何も考えていない人。 私といればそれでいい。 それが面倒だと思った。 「今日はいいや」 私が軽く断りながらスマホを見ていると横で不機嫌そうな顔をする。 「最近、お前付き合い悪いぞ」 「そう?」 何も気にしない。 適当な私が嫌だったのか不機嫌な顔が近づいて声が大きくなっていく。 「最初の頃、茉莉を輪にいれようとしたのは俺だぞ。相手しないなんて卑怯だ」 面倒だ。 自分の概念を押し付けて、私のことなんてきっと見えてない。 社会の縛りを嫌い、孤独を避ける不良。たったそれだけの男。 「じゃあ、別れれば。私、飽きたから」 目も合わせずに私はその場から早急に立ち去った。 この場所も捨ててよかったから。 広場から出ると腕に強い力を感じた。 先ほど別れを告げた元恋人が焦りと怒りの混ざった顔で私を目でとらえた。 「何が不満なんだよ。お前みたいなやつを世の中は受け入れないぞ。抜け出したら……」 「関係ないでしょ」 話を遮ったのが逆鱗に触れたのか腕に痛みが走るほど強く掴まれる。 そのまま連れ去られるのだろう。 そう思って足の力を抜いた。 「やめときな、カップルさんよ」 腕に導かれる寸前、後ろから男の声が聞こえた。 「カップルだとしたら彼女の気持ちを考えな。そうじゃないならそれなりの対応だけど?」 「くそっ」 掴まれた腕が解放されると同時に盛大なため息をついて近くの壁に寄りかかった。 なんて面倒な世の中。 自分だけを見ていればいい。 そんな私の目に飛び込んだのは若くて綺麗な目をした男だった。 私とは逆の世界の大人。 でもなぜだろう。忘れない。消えない。 そして知りたい。 「君、今の生活飽きない?」 「は?」 突然の問いに私の頭はついていかない。 「好きなことするためにここにおいでよ」 差し出された名刺には駅近くの塾の名前が入っていた。 「俺、ここの講師。まあプライベートな誘いだから受け止めなくていいけど。とりあえず、いろんな意味で忠告……」 「入る」 何を言い出しているのだろう。 でももう言葉を消す気はない。 今知った。この世には一目ぼれがあることを。
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