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屈強な体躯の男が私の上に覆い被さる。
ゴツゴツとした武骨な手が性感帯を探るように身体中を這う。
くちゅくちゅと唾液を混ぜ合わせるキスはひたすら甘い。
陰茎はそそり立ち、後ろの蕾はひくひくと疼く。
「カリンさん、ちんぽ挿れていいですか?」
耳元で囁かれ、ちらりと男のそれを見れば猛々しく主張していた。
「挿れてガンガン腰を振って気持ちよくなりたい。カリンさんのことも気持ちよくしたい」
亀頭をヌルヌルと擦りつけられ、びくびくと腰が震える。
「カリンさん、好き」
ツプリと先端が侵入してきて思わず喘ぎ声が漏れた。
あぁ、美しいこの私はこのまま貫かれて、揺さぶられて、ぐちゃぐちゃに乱されてしまうのか。
……それもまぁ、いいか。
「いや、よくない!!」
叫びながら飛び起きると、そこにあの男の姿はない。
キョロキョロと辺りを確認すると、ちゃんと自室で何故か安堵した。
それにしても、何だったんだ今の夢……いや、悪夢は。
才色兼備のこの私が、夢の中とはいえどうしてあんな不細工で不美人な醜男に組み敷かれないといけないんだ?
というかあの男、私の夢に勝手に登場するだなんて図々しいな。
ナイトテーブルの時計を確認すると、漫画の打ち合わせ時間まであと2時間といった所だ。
よし、会ったら文句の一つ二つを言ってやろう。そう決めたら胸がスッとしたので軽やかな足取りでシャワーへと向かう。
別に会うのを楽しみにしているとか、そういうわけではない。
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