その後

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とんだ詐欺師(ペテン)だなあのハ……小田という講師は。 罵詈雑言が飛び交う、会場を最後のでどんでん返し。 まさに逆転満塁さよならホームランだ。 隣にいた少し可愛い子なんか、涙まで流している程だったしな。 セミナー会場に入る前に購入した缶コーヒーはまだ少し熱を帯びている。 「こんな、ほんの少しの時間だけで分からされる事ってあるんだな。 いや言い方が悪いか。 気付かせてくれたんだな……」 「よしっ。 じゃあ行くか!」 雄亮はまだ冷めきっていないコーヒーを飲み干すと、ここに来るまでの力のない顔付きとはうって変わり、覚悟を決めた表情へと変わっていた。 それは雄亮だけではなく、最後までこのセミナーを受講した人達は皆違っていた。 ーーー 人とは何故か、親切にしてくれている人には気を遣わずに、どうでも良い人にこそ気を遣う事が多い。 本当に大切すべきなのは貴方の事を気にかけてくれている身近な人だと言う事に気づかされた。 せめて、母の日。 その日だけでも必ずを伝えようと思う。 「お母さん。 いつもありがとう」と
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