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それでもハゲは飄々とした表情で講義を進めた。
俺は内容というよりもこの講義を終わった後のハゲの振る舞いが気になり、まだ残ることに決めた。
「それでは給与についてです」
お。 やっと一番重要なとこが来たな。 こんなにも過酷な仕事なんだ流石に給与面はさぞかし良い条件に違いない。
まだ残っている俺以外の人達も、やはり給与が気になっていたのか聞きいる体勢が違う。
「この役職に給与はありません」
開いた口が塞がらない。 鳩が豆鉄砲を食ったようとはこの事だった。
流石の衝撃発言に会場内から罵詈雑言が止まらない。 それでもハゲは続ける。 茶々が入らないように間髪入れずに言葉を紡いだ。
「はい。 言葉通りただ働きです。 今現在、この役職に従事している人がいるのです。 それも、何億人もね」
「それがお母さんです」
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