今日も僕はコンビニに行く

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日課だと言っても差し支えない。 僕はほぼ毎日コンビニへ行っている。 会社への行き帰りの時、 口さみしい時、甘いものが欲しい時、 少しお酒が欲しくなった時など、 何かと理由を付けてはコンビニへ行く。 そして、いつも笑顔で対応してくれる君がいる。 袋詰めも清算も手際が良くて、仕事が速くて丁寧だ。 一応、感謝を込めてお礼を言ってるけど、 感謝以外は伝わってない、よね? あの日、まだ三月だというのに、暑かった。 そんな時、のどの渇きを癒すために寄ったコンビニに君はいた。 初めて君を見た時はそこまで意識していなくて、 ちょっと可愛いな、笑顔が良く似合う子だなって思ったぐらい。 街を歩いてすれ違った子にもそれぐらいは思う。 だから、特別な事は何も無かった。 でも、何度か顔を合わせて、 対応してもらってるうちに、君の事が頭から離れなくなった。 いくら日本人が礼儀正しくて、 丁寧で、接客が世界一だと言われても、 コンビニの店員さんは普通の普通。超普通だ。 特に不快になることもないし、 好感を持つこともないぐらいの対応だ。 まぁ僕がイケメンだったらわからないけど。 でも、君はいつも笑顔で対応してくれる。 誰だってプライベートでいやなことは在るはずなのに。 君は、自分の感情で仕事をしない人なんだと思った。 それを人にぶつけたりもしないんだろうなって。 だから、どうしようもなく君が気になるんだ。 ぶっちゃけ好きだ。 でも、だからって話しかけられたら気持ち悪いよね。 んなわけで、店舗のネットレビューに凄く感じが良くて、 仕事の丁寧な店員さんがいて、有難いですって書いた。 少しでも役に立ってくれたらいいんだけど、余計なことだったかな? どうきっかけを作ったらいいんだろう? どう声を掛けたらいいんだろう? 何を話したら、恐がられずに済むんだろう。 嫌われるのはまだいい。 でも、君の笑顔が見られなくなるのはヤダな。 君に不快な思いをさせるのはもっとヤダな。 そんな、葛藤をしながら、 今日もコンビニへ行く。
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