夜行列車

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「お前の食欲は……ま、いいだろう、俺も遅めの朝食&早めの昼食で、二食分食べていいような気もする。食費は今回、ちびる持ちだったな」 「うぇー、そんなの、ぼく、吐いちゃうよ」  ちびるの心情はわかる。食欲的にというより、お財布的にそういう気分なのだろう。朔が叱る。 「そんなムーミン谷のスニフみたいなこと言わない!あたし肉食べないと力が出ない!」 「ホントに肉好きだなお前」  ……という訳で、俺たちはホームでそばを平らげたあと、駅から出てカレーショップを探すことに決めた。  すると何と!探す必要が瞬時に消滅した!  出雲市駅の向かい、商業ビルの一階に、カレー屋チェーン店「ポポ壱番屋」が、今日の今日「新規オープン」というポスターを、でかでかと貼り出しているではないか!盛大とは言えないものの生花なんかも飾っている。列車のことといい、カレーのことといい、俺たちは何て運がいいんだ。マガティ、これもお前のおかげか?なぁんてな。 「朔、ここで文句ないよな!」 「もちろんよ!」
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