2人が本棚に入れています
本棚に追加
「チッチッチッ!嘘が青臭いなあ、じゃあ聞くが、そこの女の子二人、今日はノーメイクかい?」
痛いところを突かれた。女子大生なら化粧というものをしてるのか。
「何となく安っぽい服で来ちゃったのも失敗だね」
服装まで頭が回らなかった。もっと「大人びた服装」というものを検討すべきだったのだ。もっともちびるなんか、何を着ても子供にしか見えないけれど。
「君たち中学生だろう?」
「違います!」
「断言したね。ということは高校生確定だ。実はさっき『湯河原』っての聞こえちゃってさー、オジサンはバブルの頃、東京で働いてたんだよね、湯河原って東海道線の駅だろう?」
「……」
「……」
(……)
「……」
「やっぱり家出だな〜、いいのかな〜、お巡りさんとか補導員とか、出会いたくないよね〜」
まずいなー、スキを見て脱出するか?食券制だからいつ店を出ても無銭飲食で捕まる心配はないよな?
「いやいやいいんだよ、オジサンは君たちを愛している」
「は?」
「オジサンも若い頃は毎日無茶したなあ、二連荘オールでジュリアナ通ったり」
「朔、ジュリアナって聞いたことあるか?」
「それ潰れてるでしょ、とっくに」
最初のコメントを投稿しよう!