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「マガティ。君の拾ってきた勾玉よ」
つまり朔が説明するところによれば、朔がなぜ女子になっているかというと、俺が拾ってきた雲州大社の勾玉が原因だという。
「ちょっとまて。あんなもの参道のお土産屋にいくらでも売ってる。お前の言うことが本当なら、雲州大社は女子だらけじゃないか」
「君、なに変な想像してんの?」
「変な想像って何だ?」
「雲州大社女子おしくらまんじゅう萌え大会」
「何の大会だよそれ。そういう話じゃなくてな、あんな勾玉、山ほど売ってるって話だ」
「だから君が拾ったのは、お土産物なんかじゃないってことよ」
「じゃあ何なんだ?」
「マガティ」
「伊豆のバナナワニ園で泳いでる奴か?小学校の遠足で見たぞ」
「それマナティ。そこにあるのは『マガティ』」
俺は訳が分からなくなってきた。
「あのー、初歩的なことからおたずねしますが」
「何よ」
「君、誰?」
「朔」
「朔は猫だ」
「違う。猫人間」
「ネコニンゲンって、何?」
「私はもともと、ただの『猫』じゃない。猫人間。猫と人間の二つの性質を持っている。それが猫人間。今日、人間側の性質が目覚めて、人間に転換した。なぜだと思う?」
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