あたし、朔!

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「猫と人間の性質を併せ持つ『猫人間』は、普通は一生を、猫の姿か人間の姿かのどちらかで過ごす」 「はあ?」 「やたら人間臭い猫とか、何となく猫っぽい人間っているでしょう?そういうのは猫人間」 「んなわけない」  俺の否定を無視して朔は続ける。 「転換なんて普通は出来ない。けど、これが出来ると、猫モードの猫人間は人間モードに、人間モードの猫人間は猫モードに、それぞれ転換するのよ」 「なんでそんなことが出来るんだ?」 「超科学的な力のおかげ。他にも、超能力とか神様の奇跡とか、稀にあるでしょう?今回は私自身がマガティの能力を引き出した」 「ありまへん、そんなこと」 「君は非科学的なものを否定するタイプね。でも、あるのよ」 「ない。首をかけてもいい。そんなものは空想の産物だ」 「君はねぇ、夢も希望もなさすぎなのよ、とにかく話がややこしくなるから、今は『非科学的な事実』を受け入れなさい」  しかし俺たちは、何て訳の分からない話をベッドの上でしてるんだろうな?  俺は少し考えた。 「受け入れない。しかし話が進まないなら、とりあえず『保留』ということにしよう」
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