同居生活のはじまり

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同居生活のはじまり

 ピンポーン  翌朝。軽快なチャイムの音で、目が覚める。  時刻は朝の七時過ぎ。平日よりも早い起床だった。 「あれ……」  気が付くと、昨日ソファで眠ったはずの真尋の姿が見当たらない。  真尋の痕跡すら残らない部屋を見渡し、昨日のことは全て夢だったのではないかと思うが――  ベッドから起き上がろうとして、ズキッと痛んだ膝を見て昨日のことを思い出した。  夢なわけ、ないか……。  小さくため息をつくと、真尋はどこへ行ったのだろうかと考える。  すると、もう一度チャイムが鳴った。  こんな朝早くから誰……?  重いい体を起こし、インターフォンまで歩いていくと、画面には真尋の姿があった。 「えっ……! どうしたの?」  慌てて通話ボタンを押すと、画面越しでも分かるほど眩しい笑顔を向けられる。 『おはよう、詩音さん。バイト先から荷物持ってきたんだ』 「こんな朝早くから……?」 『うん、早い方がいいかなって。……開けてくれないの?』 「あ、ごめん……!」  慌ててオートロックを解除し、真尋を中に入れる。  昨日一緒に住むと言ったのも、すべて夢じゃなかったのだと、改めて痛感した。
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