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「お母さんへ。今までありがとう。余命三ヶ月ってお医者様から言われたのに一年以上生きてくれてありがとう。最後は苦しかったね。今は楽になったかな。ゆっくり休んでください。
お母さん覚えてるかな?二年前俺が自転車の旅の報告をしたこと。あの時暗闇の話をしたよね。茨城の田舎の本当に真っ暗な闇。この手紙を書いてる時なぜかその事を思い出したよ。人生で一番の暗闇であれ以上の闇を経験することもうないだろうって思ってたけど、それは違ったよ。あんなの全然明るかった。今が一番暗いよ。
お母さん。あなたは僕の光だった。生きてる時はわからなかった。当たり前すぎて。当たり前にずっといると思ってたから。お母さんを失うっていう事がわからなかった。ごめんね。もっと話せばよかった。もっと一緒に笑えばよかった。話を聞けばよかった。ごめんね。
お母さん。ありがとう。またね」
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