2人が本棚に入れています
本棚に追加
第9話 オタクの儀式
初めてだった・・・
今まで芸能人とか興味なかったのに
その日たまたまテレビを見ていると5人組のアイドル「Z」
その中の一人Mちゃんに心奪われた・・・
早速ネットで調べCDやDVDを買いに初回限定盤が売り切れでやきもきもした
日々募る思いは実際会いたい気持ちに変わり
握手会に応募しては落選で
ライブのチケットはプラチナ物で手に入らず
そんな愚痴をSNSでこぼしているととある人から反応が
「俺たちのグループ入らない?」
何だろう?僕と同じあのアイドルが好きな人の集団なのだろうか?
喫茶店で落ち合うって事で会うことにした
人目につき安全だろうと思っての行動
しかしネットで知り合った人と実際会うなんて自分にしては思い切った行動
これも彼女のため・・・
「MSさんですか?」
「あっはい」
「どうも~Z命のZ同盟のA推しのAちゃんLOVEです」
お互いハンドルネームで呼びあった 「MSってどういう意味ですか」
もう一人のR推しのRは世界を制覇しちゃうぜさんが聞いてきた
「M推しって言うのかな?Sは僕の下の名前で合わせてるんです」
「最初モビルスーツの略かと思ったぜ(苦笑)」
「んで俺たちの同盟に入るアムロ君?」
「ぜひ!彼女達を一緒に応援する仲間って良いなって思って」
「でも~俺たちの仲間になる為には儀式があってなぁ~」
「・・・儀式?」
「とりあえず公園行こ」
公園に着いた僕たち
Z同盟の人たちだろうか10人位の人だかりが出来ていた 「こいつ新人」
「よろしく・・・」
「お前は連邦側かジオン側か?」
「あの・・・僕はガンダムとか興味無くて・・・」
「お前それでよく日本人で居られるな」 と
次の瞬間
「お前のZに対する愛を確かめさせてもらう」 とある番号の書かれた紙切れを
「これがMの電話番号だ」
えっ・・・
「知らないのか? 芸能人の電話番号を調べるのは簡単なんだよ」
「彼らは着信拒否で身内や友人などの電話しか出ない
そしてこの携帯はMの友人から借りた物だ、かけてみろ・・・」
そんな・・・僕が落ち込んだときも励まされたMちゃん・・・
楽しいときも悲しいときも常に傍に居てくれた
勝手な想いだけど想うだけで幸せだった・・・
彼女の無邪気な笑顔・・・振る舞いが全てが好きだった
「出来ません・・・Mちゃんに迷惑かけることなんて・・・ 好きだけど・・・
大好きだけど!彼女の笑顔を曇らせる事はしたくない!」
「・・・合格だ!おめでとうアムロ君!」
えっ
「当然ファンって言っても一線を越えてはいけないの」
「ほら」 「これ・・・これぇ~」
「次の握手会のチケットだ」
「俺たちにかかればライブも握手会も簡単だ」
「行って来い!同士よ!きっとララァも待っていてくれるはず!」
「ん・・・何です・・・うわぁ~」 「これ次のライブのチケット・・・こっちは有料」
「俺たち順番でライブに参加してるけど
さすがに全員のチケット無理」 「ありがとうございます!」
オタクって抵抗あったけど・・・なんかオタク最高!
最初のコメントを投稿しよう!