第八章 恋人です

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 ああ、死なないよ。  今死んだら、悠は一生かけて悔やむだろう。  慎也さんは、僕をかばって死んだんだ、って。 「慎也さん……。慎也さん、しっかりしてぇ……」 「大したこと、ないぞ」 「ホントに? 絶対?」 「ああ。心配するな」  サイレンの音が聞こえる。  救急車がやって来たのだ。  救急救命士が、手際よく慎也の状態を把握し、処置を行っている。  すぐに彼は、車に担ぎ込まれた。 「同乗してください」 「はい!」  目を真っ赤に泣きはらし、悠は救急車に乗り込んだ。  彼には、祈ることしかできなかった。
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