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「僕、慎也さんに謝らなきゃならないこと、あるんだ」
「謝る?」
退院し、マンションに帰った慎也は、悠に妙なことを切り出されていた。
私のために必死で祈って、生還させてくれた恩人が、何を謝る、と?
「ポリスに職質された時、慎也さんとの関係を……、恋人です、って言っちゃった」
慎也は目をぱちぱちさせた後、笑顔を見せた。
「ありがとう」
「え?」
「私のことを、そんな風に思っててくれたんだな」
「慎也さん」
もし立場が逆になっても。
私もきっと、悠のことを恋人だと答えるだろう。
「恋人で……、いいの?」
「それでも足りないくらいだ」
そこで、急に慎也は落ち着きを失くした。
目を逸らし、何か言いかけ、手を口元に持って行き。
「どうしたのさ」
「いや、その」
できれば。
「婚約者、ではどうだ?」
「慎也さん!?」
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