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「あぁん! 僕、もう、ダメッ! こ、壊れるぅう!」
「悠……。悠ッ!」
二人で重なり縺れ、何度も何度でも駆け上がった。
「はぁ、はぁ……。ッう! はぁ、あぁ、うぁああ!」
(も、ダメ……。これ、何発目?)
ぐったりと脱力した悠の身体は、まるで静電気を流しているようにひくひくと引き攣っている。
慎也はようやく、彼の体内から去った。
「も、バカぁ。今すぐ赤ちゃんつくる気?」
は、と慎也は自分の下に横たわる悠を改めて見た。
汗と涙と精にまみれ、髪は乱れ、目はどことなく焦点が合っていない。
「すまない。少し、調子に乗り過ぎたな」
「え?」
「いや、その。あまり嬉しかったものだから……」
「慎也さん、カワイイ」
悠の反応に、慎也は苦笑した。
「可愛いと言われたのは、人生初めてだな」
のぼせ上って、もう一度挑みかかりたかったが、そこはこらえた。
タオルでていねいに、この素敵な婚約者の体を清め、安らかな眠りを見送った。
すうすうと眠る悠に、慎也はそっとキスをした。
「愛してるよ」
「う~ん。むにゃ……」
きっと、僕もだよ、と夢の中で応えてくれたに違いない。
頬を緩めて、慎也は悠の寝顔に見入っていた。
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