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第二章 思い出にしたくない
幸先がいいと思っていたのに。
この人は、ヤクザだけど怖くない、いい人だと思ってたのに。
朝食の後、悠は寝室へ逆戻りしていた。
「ぐっすり眠って、よく食べて。コンディションはいいだろう」
そんなことを言って、慎也は今から悠を抱く、と迫ってきたのだ。
「いや、あの。朝だから、ね」
「セックスは夜するものだとは、決まっていない」
ルームウェアの慎也は、まだ昨夜のバスローブのままの悠をベッドに押し倒した。
(ああ、もうダメ)
そうと決まれば、腹は括れる。
とにかく、一回エッチすれば、このヤクザさんと縁は切れるのだ。
キスを、と思って顔を寄せた悠をかわし、慎也はすぐに首筋を吸ってきた。
「あ、あぁ、あ……」
あっという間に首筋から鎖骨、脇、そして。
「ん、あんッ」
乳首を柔らかく舐められ、悠は思わず声を上げていた。
(ヤだ。何、これ。身体、ジンジン疼いてくる……ッ)
乳輪を優しく舐められ、乳首はツンと尖ってくる。
その頂点を、舌先で掘られる。
「あ、あぁ、あ。はぁ、あぁ、はぁ……」
(乱暴にされるかと思ってたのに)
その愛撫は、まるで恋人のように優しい。
いや、恋人なんていたこともない悠なのだが。
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