7.

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「ホレ、早う言うてみい」 「……B(ビー)だ。ワシのことはB様と呼べ」 「B?」 「様をつけろ」 「あほらし。ほんで、Bはその姿のままなんか?」 「ワシは一生この姿だ」 「合体してたんやろ?」 「人間部分が先に死んだのだ。ある薬玉の実験体にさせられ、この姿になった」 「へー」 ヒョウは少し共感を持った。 「そんで、なんでこんなとこにおるん?」 「……迷子になった」 「ぶはははははっ!まじか!犬のくせに迷子って」 「お前は!何も知らぬから笑えるのだ。ここは山全体が迷路なのだ。お前も収容所にたどり着くのは大変だぞ」 「はあ?この道を登れば着くんとちゃうんか?」 一本道として上に続いているように見える石畳を見上げる。 「あまい!あまいのうー。これだからひよっこは。よかろう、ワシが案内してやろう」 「お前も収容所に行くんか?」 「そうだ。そこでいつも食事をもらっているのだ。まかせろ」 そう言ってBは、ヒョウのカーゴパンツの左ポケットに入り込んだ。
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