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「最近、ゴミからプライバシーを盗み見る事件が多発してるんだよねー」 馬人は引いてきたコンテナにポイポイッとゴミ袋を入れていく。 「せやから、このゴミはわいのやって。ほな後は回収よろしゅうな」 本当はまだ手紙が残っているかもしれないのでじっくり見たかったが、怪しまれているのがわかり、ヒョウは一束だけ持って帰った。 「ヒョウちゃん、早く食べて行かないと学校遅刻しちゃうわ。獣人になったから手続きし直さないと。先生に連絡しておくから、学校着いたら手続きしてね」 コーンフレークをかきこみ制服に着替える。今日から高等部だ。人間のヒョウは、人間のまま高等部に上がることを気にしていた。もはや中等部でも人間はいなかったが、高等部となると、成長しきった獣人ばかりとなる。 「それでか……?」 ヒョウは面倒なネクタイを適当に結び、家を出た。
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