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「やだ、まるでブルーみたい。ヒョウちゃんの顔なのに」
「おい、それ言うたらあかんやつやろ」
トリデは思ったままが口をついて出たことに思わず『しまった』と後悔した。
人間のヒョウが可愛くて仕方なかったのをブルーは知っている。溺愛していたのはトリデに限らない。ジョーもブルーも守ってやりたい対象としてヒョウを大事に思っていた。
「あ、違うのよ。どんなヒョウちゃんも大好きよ。変に思わないでね。まだ気持ちが追いついていないだけなの。大丈夫大丈夫。あ、ゴミ、ゴミ。ゴミの日だったわ。出してこないと。……昨日ヒョウちゃんがまとめてくれてたのよね……ぐすっ」
「泣いとるがな……」
人間のヒョウをまた思い出して、涙まで流すトリデ。全くもって、大丈夫ではなさそうだ。
「ゴミ、わいが出してくるから、ホットミルクでも飲んで落ち着け。な?」
トリデはヒョウに優しくそう言われて、さらに号泣した。
ヒョウは、袋にまとめてあるゴミを外のゴミ置き場まで持っていった。ゴミを持ちながらヒョウは引っかかる事があった。
「昨日?ヒョウがゴミをまとめた?」
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