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ヒョウが、ゴミをまとめたりしたことは今までなかった。薬玉を飲む決心をしていたのは間違いない。身辺整理をしようとしたのかもしれない。自分が消えるであろうことを想定して。
「ヒョウも気付いとったんや。わいのほうが残る可能性が高いことに……それで?なんで薬玉を飲んだ?」
現在は入手困難な R・B(ラン・ビー)をヒョウは持っていた。正確にはブルーが持っていた。しかしそれはブルーしか知らない場所に保管してあった。なぜ保管場所がわかったのか不思議である。そこは人間では行き難い場所でもある。なにより、その日がどうして昨日であったのか……。
ヒョウは、ゴミ袋を集積所におきながら何気なく半透明の袋の中を見た。中に封筒の束があるようにみえた。ヒョウは気になり袋を開けた。ざっとみて二十ほどの手紙を紐で縛った束があった。
「おーい、勝手に漁るんじゃないよ」
ゴミを回収にきた馬人が叫んだ。
「これはうちのや。間違うて捨てるのにまぎれとったんや」
「へえー」
大きな茶色い馬の半身を持つ、筋肉隆々の男は疑いの目でヒョウを見た。
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