此花咲如散如比瑪

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此花咲如散如比瑪

89d243e8-a9cd-4243-a8e1-da42dcf1fad5   人生を楽しんでいると嘯く気はない   潔く今この瞬間にだけ生きているという感覚   次の一秒に向かって細く息を飛ばすような   そんな感じで大地に佇む雅の男が大好き   欲が今夜も情を満たし、そして愛と溺れる後ろめたさ   妄想的恋愛小説のヒロインになった君と   叶わぬ恋に溶けだし淡く切ないまま揺れる俺と   不気味な眼差しで存在する液晶画面上の雅の男がひとり   所詮俺もあんたも人間様で   人間ごときの世情なのだ   だから、人間風情の道のりをゆく   この花よいま咲くや、そして散るやと秘めて   風がひと打てば穢れなどこの世の果てまで飛んでゆくさ   互いに花弁散らしながら笑い死にするまで生きてみようじゃないか   マジメ腐った顔で人生を謳歌するような不便はいらない   所詮俺もあんたも人間様、人間ごときの世情なのだ   だからこのまま人間風情の道のりを行く   さぁ、この花よいつ咲くや、そして散るやと秘めて
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