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鳥の幸福論
３月３日に生まれた
４月にはもう死んでいた
儚いけれど泣かない
僕はそんなことでは
叶わないことだけを願う
そうすることで息をする
心の風穴を庇うのは
笑うため、それだけ
ゆらゆらと小舟
深い孤独の海
浮かぶ事は不幸じゃない
ぬくもりのひとつに等しいからだ
ポケットに510円
地下鉄に乗ればキミに会える
転ばないように階段を下る
帰りのことなど、今はもう
幸せなんだな
俯瞰の先で生きていること
そう、幸せなんだよ
どこからでも無に至る幸福論
３月３日に芽生えて
４月に撃たれて暴発した
想いは天を突いたけど
キミには何一つ届かなかった
誰が悪いわけじゃない
むしろ皆が悪なんだ
キミも確かに悪かった
そしてもちろん僕も同じ罪人
幸せなんだな
俯瞰の先で生きていること
そう、幸せなんだよ
どこまでも無に至る鳥の現実
ゆらゆらと小舟
生暖かい孤独の海
ずっと届かなくていい
キミが飛ぶことだけを願う
幸せになろう
空の中の点になって
幸せになってほしい
せめてキミひとりだけでも
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