自由と孤高

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自由と孤高

e9880d77-fb1e-4ad8-a06c-57ca2b317ea6   ニュースを見ていて知らず知らず涙が零れた   これは怒りか、それとも切なさか   大学生が連呼する『表現の自由』   親のスネカジリの一丁前な社会風刺だ   迷惑を顧みない甘ったれたカブレ現象   高等教育が無価値に化けたその瞬間だ   反戦運動に身を投じて政府に射殺された女の   あの美しい歌は今でも世界中でちゃんと流れてる   彼女は最期まで命の尊さを叫び続け   死を目前にしてなお気高くも清らかだった   向けられた白い目に堂々と中指を反り立て   認められずとも真実を歩く孤高のひと   想うがままに心を紡ぐ代償に深い傷を負いながらも   それがどうしたと胸を張って真っ直ぐに高みを目指すひとよ   自由であることはとてもしんどい事だ   砂漠の中の根無し草と同じだ   誰も明日を保証しちゃくれないし   青空は無責任に広がるばかりで   海は恐ろしいほどに深く遠くなり   地平線の彼方まで俺を知らんぷりする   今宵の寝床にさえ事欠く日々だが不安は全くない   頭上の星々は今にも掴めそうなほどに間近で瞬き   神々は俺の傍らにあり常に明日を示し続けている   種別を越えて語り掛けてくる数多の大切な(ともがら)たちよ   俺と共に『永遠のイチ』を探す旅を続けようじゃないか   孤高の果てに得たものは無限の自由   それ以上でもそれ以下でもない表現の自由だ
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