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美悪の徒
振り降ろしたパレットナイフで刺した
12インチカンバスのケッペン
陽の墜ちる場所へ飛ばして唄う
そんな悪い冗談のように狂った朝に
僕は遠くタジンベアの地を想い深いため息をついた
もどりたいのか もどれないのか
そもそも、もどりたくなかったのか
そういった自問自責を半永久的に繰り返したところで
いったい何処の誰様が答えてくれただろうか
パレットナイフをシルヴィアのフォークに持ち替え
無頼漢を装い夜のターゲットを探すブランチ
サラダボウル掻きまわせば夢おもいの何処
もはや僕には生き抜くだけの余裕がない
そして遠くダジンベアの地を想い甘く切ないため息をついた
もどりたいのか もどれないのか
結局、もどる気にすらなれなかったのか
あいもかわらず自問自責を繰り返しては
汚してしまったカンバスにやつあたりするだけの毎日
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