壱と万億

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壱と万億

b84fba92-2ffb-4e1d-8adc-0c378765f4a3   いくら積んだって買えなかったのは   心許せる友達ってやつ   胸焦がれる恋人ってやつ   億万長者も意味を成さない   無一文と同じこと  「きれいごとさ」とヤツが言う   金で片付く自由があるとか   ヨゴレ者の俺には多分わからない   荒れ地に立ち向かう両腕が欲しい   10年を10年として   一生を一生として   ひとりをひとりとして   追い求めることの素晴らしさよ   手に入らないなら意味がないのだ   中心に蠢く本能からの言伝   欲しいのは本音が聴こえる耳   揺るがない瞳に応える唇   いくら積んでも届かないのは   いまだに俺が無一文だからだ   心を積み上げよう   天井を舐めるまでは   心を積み上げよう   今日を突き破るために
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