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俺は飴玉
俺は飴玉
口上書きのない飴玉
包装紙は黒地のサテンで
一見したら正露丸
包み紙ごと口に入れて
「まずい」と吐き出す者が大半
俺は飴玉
包装紙をめくれば必ず笑い者
中身が単純、苦いほどに黒
口に入れるなら覚悟したほうがいい
適当に頬張れば涙に堕ちる
痺れるほどに苦いような
想い出という名の砂糖菓子味
俺は飴玉
零時に食べる飴玉
終わる事の無い純潔の黒玉
見た目どうりの悪さ坊主
最後まで舐める勇気がないなら
最初から俺に興味は示すな
俺は俺という飴玉
何味になるかは夜の深さ次第
我慢して舐めても構わないが
行きつく先に責任は持てない
口に入れなければ何も起こらない
キミが望むことも、そして君が望まないことも
俺はキミという飴玉
包み紙の中の報われない存在
今はまだそっとしといてあげよう
キミの本音が痛がるうちは
何事もないよう包み紙のまま
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