![34f447fa-539e-42cc-8b7a-02d3964e0800](https://img.estar.jp/public/user_upload/34f447fa-539e-42cc-8b7a-02d3964e0800.jpg?width=800&format=jpg)
あれは曇り空の火曜日のことだ
市役所の裏の駐輪場で猫が生まれた
街はちょうどゴミ撲滅週間とやらで
食べていくだけのエサに乏しい夕刻だった
ボクはキミとの待ち合わせに向かう途中
駅横の公園で待つキミにおみやげを買った
ふたりのお気に入りのベーグルサンドと甘いココア
それを懐に抱えて市役所の前を通り過ぎた
温かいココアを分け合うのさ
寒空のベンチでひとつのマフラーで
手袋ごしに手を繋ぎそっと夢見たのは
ちょっとだけ未来に微笑む自分たちの事
親猫が震えながら車道を横切り
空のゴミ箱に潜り込んで恨めしそうにボクを覗き見る
駐輪場で目の開かぬ子猫がか細く鳴くから
キミと食べるつもりだったベーグルを親猫にあげた
いつだったかキミが教えてくれた歌を口ずさみ
駆け足で向かうイルミネーションの街
小さな命に希望を与えたのはボクで
ボクに希望を与えるのはいつだってキミだった
温かいココアを分け合うのさ
寒空のベンチでひとつのマフラーで
手袋ごしに手を繋ぎそっと夢見たのは
ちょっとだけ未来に微笑む自分たちの事
命燃える限り存在理由を探す
そのことを疑問に思うことはもうない
幼少期に見たあの夢のようだ
雨が降りだす前に約束の丘まで
雨に濡れる前に約束の丘まで・・・
温かいココアを分け合うのさ
寒空のベンチでひとつのマフラーで
手袋ごしに手を繋ぎそっと夢見たのは
ちょっとだけ未来に微笑む自分たちの事
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