#11 宵を待たぬ微熱

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──Side 隆平  華奢な身体を抱き起こして向かい合い、俺の上に跨るように促すと、彼女は予想どおり「恥ずかしい」と俯いてしまった。  しっとりと白い肌が夜闇にぼんやりと浮かぶ。汗をかいているせいか艶めかしく輝いているようにすら見え、抑えきれない色気を放っているようだ。  ──色気がない、なんて、どの口が言ってんだろうな。 「俺のこと、ぎゅってしてくれねえの?」「だって、これじゃ、全部……」「くっついたら見えないから大丈夫だって」──そっか、とでも言いたげに奥二重の目が輝く。 「こうすると、顔見えるし……深い、だろ?」  狭く穢れを知らない彼女の中をじりじりと侵していく。テクニックも経験もないくせに──いや、ないから、だろうか。反応のひとつひとつがあまりにも新鮮でかわいくて、もっと感じさせて乱れさせたくなる。焦るな、と自戒しながらなんとか正気を保っている状態だ。 「や、恥ずかし……かお、みない、で」 「いまのおまえ、すげえ色っぽくてかわいい。そんな顔、俺以外に見せんなよ」 「だめ、絶対?」 「だめ、絶対」  冗談言う余裕あんのかよ、と腰を振り動かすと、桃色に染まった胸の先端が震えた。ここもかわいい、とかぶりついて舐め回すと、呼応するように中がうねり始める。  いまのつばきは全身が性感帯のようだ。油断すると、呆気なく達してすべてを搾り取られてしまう。
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