1人が本棚に入れています
本棚に追加
/22ページ
+
僕はあのお店の事、夜中にあいつが家に入ってくる事、一日経ったらまた言葉を話せなくなる事を伝えた。
「あの人が…?間違いないのね?」
「本当だよ!あいつは何かを捜してるみたい」
アスカはしばらく難しい顔をした後、口を開いた。
「分かった。今日は私がここに泊まるから」
よかった。
今日は一人じゃないんだ。
「お店の男の人に聞いたよ。お母さん病気なんだね。僕、会いに行きたい!」
「……ごめんね。それは無理なの」
どうして?
「アスカはお母さんに会いに行ってるんでしょ?どうして僕は駄目なの?」
アスカは困った顔をしていた。
せっかく喋れるようになったのに、僕はすぐに口を聞かなくなった。
「じゃあ、また夜に来るから」
アスカはそう言ったけれど、僕はそっぽを向いていた。
アスカが意地悪するからだよ。
最初のコメントを投稿しよう!