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「子供の頃からずっと好きだった! 付き合って欲しい!」
「え……? ほ、ほんとに? わ、私もずっと好きだったの! 嬉しい……!」
高校二年に上がった日、俺は長年恋していた栗色ショートヘアーの幼馴染みのハルに告白した。
まさかハルも俺を好きだとは思わず、つい抱き締めてしまったのだが。
ハルはそれ以上を…………キスを求めてきた。
そして俺と恋人となった幼馴染みは、その日、夕日を背にキスしたのだ。
それから半年経った頃。
段々とハルに違和感を覚えるようになってきた。
何故かハルの視線を常に感じるのだ。
自分の部屋に一人で居る時も、寝てる時も。
そして視線を感じる時に限って決まってメッセージにこう書かれている。
『今お家に居るよね? どこにも行ってないよね? ごめんね、こんなストーカーみたいな事言っちゃって。 でも君が悪いんだよ? 私以外の女の子と仲良くするから』
俺はそこで寒気を覚えた。
今、メッセージでやり取りしているのは、いつも優しくて天真爛漫なハルなのだろうかと。
どうしてそんな事を思うのか。
その理由は、妙にそのメッセージの内容に気味の悪さを感じたことに他ならない。
そんなある日の事だ。
俺が部活終わりにハルをいつもの様に教室で待っていると、クラスメイトの女の子が話しかけてきた。
内容としては「彼女と上手くいってんの?」とか「あたしも彼氏欲しー!」みたいな感じだ。
特に仲が良いわけでもない。
その子達も俺と同じく人を待っていたみたいだから、暇潰しだったのだろう。
確かあの時は10分ぐらい話していたと思う。
俺も「まあな、羨ましいか?」と、冗談混じりに言った。
するとクラスメイトは悔しそうに、だが楽しげに俺の肩をパンパンと叩く。
その瞬間。 彼女達が俺に触れた瞬間、あの違和感が寒気へと変わった分かった。
まるでピリピリと肌に緊張感が走ったのだ。
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