1.わたしのヒミツ

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1.わたしのヒミツ

「おっはよー、亜希」  とんっと肩をたたかれ振り向くと、ショートヘアですらっと背の高い水元真由が、いつもの元気な笑顔で立っていた。 「雑誌見たよ。あれ、ちょーかわいかった。今度あの髪型してきてよ」  真由はわたしの耳元でそうささやいてウインクすると、他の子にも「おっはよー」と声をかけながら窓際の自分の席へと歩いていった。  もうっ、そんなのムリに決まってるでしょ!?  だいたい、素のわたしがあんなオシャレな髪型したって絶対似合いっこないんだから。  わたしが怒って真由の方を見ると、真由は自分の席に座ってイシシッとわたしに向かって笑っていた。  真由は、ここ私立みどりヶ丘中学に入学して一番最初にできたお友だちで、わたし川瀬亜希の一番大切なお友だち。昨年の入学式の日に、教室の手前でオロオロするわたしに笑顔で話しかけてくれたのがきっかけで仲よくなったんだ。
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