最初に会う邪神様は

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 家、アパートの前で息を整えて財布を取り出し財布の中からカードを取り出す。  俺が住んでいたアパートはセキュリティがまあまあ厳しくカードが無いと入れないアパートだ。  アパートの前にあるカードを認証する物にカードをスライドさせるするとアパートのドアが開く。  急いで中に入りエレベーターで自分の階、8階へと向かう。  エレベーターの中は平均より少ない数の人しか乗らない。いや別に他のエレベーターはあるがそれは業者や引っ越しの際に使うエレベーターの為滅多に使わない。  自身の階層に付きドアの前まで走る。  ドアを腰でなんとか開けさせながら中へと入る。 「ただいま〜」  自分の家の中からは返答の声が聴こえない。  家族家庭は母子家庭で母親は夜まで働いており妹も居るが、毎日友達の家でも泊まっているのだろう。子猫をバックの中から取り出し毛布を外す。微かに寝息を立てているのを確認する。 (良かったぁ〜!死んでない!) 「さて毛布と〜ぬるま湯のお湯を用意しないとね、凍え無い様にしないとな」  靴を脱ぎ急ぎ足で毛布を取りに洗面台に向かい、洗面台の下から毛布を取り出す。 (あっ、この子猫汚れてるかも知れないし) 「起こすか、ほら〜君〜起きて〜?」  優しく背中をトンと触るとビクッと頭と尻尾が動き目が開く。少し悪いなと思った。  この子猫の顔は、六つほどの瞳、瞳の中にもう必要の瞳、重瞳(ちょうどう)と多瞳だ。この気色悪さで捨てられたのだろう。  広い毛並みで腹部は真っ黒。  瞳の色はレッドアイ。  気色悪いと思ったが頑張って生きている子猫を見て俺は、可哀想だな。と常識な考えが出た。普通なら気色悪がって見捨てる。  でも何故かこの子猫を拾いたくなったのだ。 (んー!なんか愛くるしい) 「ミィ〜」 「ごめんねー少しお湯に入れるよ」  洗面台にお湯を軽く張らせる。触ると暖かいが子猫としたら熱いだろうなら少し水を足す。  丁度良いか子猫に優しく掛ける 「ミィー!ミィー!!」 「熱いかな?」  もう少し水を増やす。そのお湯を掛ける。  子猫の鳴き声の反応的には良さそうだ。そのお湯を子猫につけていく。優しく指先で汚れを落とし耳の中や目に付けないように洗って行く。  汚れは水の上に浮き排水溝に流れて行く。数分で子猫を洗い毛布で優しく水を吸い取って行く。痛がらない様にモコモコとした毛布だ。  もう一つの毛布を取り出し子猫に巻き抱き上げてバックから使い捨てたペットボトルを取り出す。ラベルを剥がしその中にお湯を注ぎ込む。キャップの縁より下まで入れキャップを閉める。ペットボトルに薄い毛布を巻き付ける。 (よし、後は、ご飯かな?確か牛乳がある筈だ。それとカリカリか?子猫用の牛乳も買わないとな・・・そうなると明日の部活は参加しなくていいか)  キッチンから牛乳を取り出し小皿に注ぐ。牛乳を入れた小皿をリビングの下に起き、子猫を毛布を解き子猫を降ろす、牛乳を嗅ぎ身体が前のめりになり体勢が崩れて鼻と口をベチャと付ける。牛乳が溢れない様に子猫の逆側を押さえる。 体勢を助ける為に少しだけ前を持つ小指の指先に軽く牛乳を付けて飲ます。チュパチュパと音を出して飲む。 「カッッッ!」 (デカい声出掛けた〜危ね、子猫がビビっちゃうしな)  何回か繰り返し小皿を飲ましやすい様に小皿を少し上げる。さっきの出来事が起きない事を祈りながら、その事を起きて欲しいと思っていた。  結論から言うがまた子猫は牛乳を付けた、顔面に全て付けて。  ティッシュで顔を拭き、毛布に包み抱き上げる。子猫を俺の部屋へと連れて行く。  部屋は小綺麗でテレビゲーム機とゲーム機数台ありベットの上は毛布数枚引いてある。  毛布の上に子猫をソッと起き小物置きに向かう。ダンボール箱を探していた。子猫が捨てていたダンボール箱は汚れており使い物になっていなかったのだ。そして家の中にダンボール箱と前の猫のトイレがあったのを思い出した。  それは俺の部屋にあるあまり使わないタンスの中に入っていたのを思い出し取り出そうとし体勢を低くする。 (あー、そうだ今日は『パーティ』あるんだった、まぁ今日は辞退しますって連絡入れとくか)  胸ポケットから小型の端末を取り出し操作する。 ・ティーガー三号兄貴 すまーん今日パーティにら参加出来ないわ。 ・三凸兄貴 え?マジ?今日大物来てんのに? ・シャーマン ティーガー兄貴が来れないって、クソにならへん? ・チハたん ええ!!ティーガー三号兄貴殿がこれんのか?! ・エイブラムス二世 いやいやシャーマンよ我々は元々クソの塊なのだからな。 ・ティーガー三号兄貴 いや〜子猫拾ったんよ、その子猫がめんこいのよ。優しく撫でるとさミィ〜ミィ〜って鳴くんよ可愛くない?! ・P1000ラーテ Oh....ティーガー三号兄貴よ。クソ分かる。 ・三凸兄貴 へー!子猫拾ったのか!どんな猫! ・ティーガー三号兄貴 ほらよこれが拾った子猫だ、気色悪くなるなよ? 【いつの間にか撮った子猫が牛乳を飲む写真】 ・エイブラムス二世 おお!どんな・・・・可愛いな! ・P100ラーテ ほほう?これは、遺伝子変異でこうなったのか?反応が可愛いな ・チハたん 異端なる仔猫たる者か、多眼と重瞳か?てか口と鼻に牛乳がwww ・三凸兄貴 いやはや、ティーガー三号兄貴がこの子を拾うとはね。普通に可愛い ・エイブラムス二世 何故だろう、今後もティーガー三号兄貴には別な子達をまた拾いそう。 「エイブラムス二世ぇぇ?!なぁぁに別の生き物を拾うって予言するん?こいつ百発百中予言当たるんだよなぁ、クソ困る」 (しかも『達』って複数形で言ってるからなこいつ。しかもパーティ内でゆういつの常識人格扱いされてるし〜、てか俺も非常識人よ?) 「はぁー、バレて警察沙汰にならない事を祈ろうか」  エイブラムス二世にツッコミを入れようと俺は端末を操作しようとした。  不意に背後を向く。異様な気配、視線を感じ取ったのだ。音も拾い物を踏み潰すそんな音で背後を向いたのだ。  向いた先には天井以上に身長を伸びて行く子猫が居たのだ。六つの目は半端はみ出て俺を見ている。身体が固まった。 「・・・・・っ!!」  子猫の毛が少しずつ剥けていくに連れて瞳も増えて行き脚も増えていく。体が膨れ白くなる。膨れた体は餅の様に成る。  俺はこの時思考が送れて状況を飲み込むのが遅かったが、どうやら化け物を引き連れてしまったのだと分かった。   『邪神  を目視  恐怖   により  SAN値が30減りました。  今現在のSAN値は50と成りました』
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