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すると、私の声でハッと我に返った様子の窪塚が、ボソボソと呟くように返答してきて。
「否、ダメっていうか。お前のことが大事すぎて……俺なんかが気安く穢しちゃいけねー気がして……」
なにやらバツ悪そうに、首の後ろに手を当て擦るような仕草を見せている。
窪塚が今までどうして童貞だったか、わかった気がした。
そんなにも私のことを大事に想い続けてくれてたんだ。
そんな風に想ってもらえていたなんて。どうしよう。
ーーメチャクチャ嬉しい。
窪塚への想いがどんどん溢れてきて、もう止まりそうにない。
想いが溢れて止まらなくなってしまった私は、未だバツ悪そうにしている窪塚にぎゅうっと力任せに抱きついてしまっていた。
「バカッ、そんなことで穢れたりしないわよッ! だからお願い。本物の恋人としてのスタートが切れるように、今すぐ窪塚の初めて頂戴」
「ーーッ!?」
それを窪塚は驚きつつも、逞しい腕にしっかりと抱き留めてくれている。
そして私の想いに応えるように、尚も胸に引き寄せ、ぎゅうぎゅうに掻き抱いてくれる。
そこへ間を置かず、放たれた窪塚からの落ち着いた優しい甘やかな声音が私の鼓膜だけでなく心をも打ち振るわす。
「……ああ。わかった。鈴に全部やる。これからは本物の恋人だもんな。最高のスタートにしなきゃな」
「うん」
しばらく抱きしめあった後、窪塚との甘い甘いひと時は、窪塚からの優しくも甘やかな口づけによって再開され、キスの合間に愛を囁きあった。
「鈴、好きだ。愛してる」
「私も。好き。大好きーーんん~~ッ!?」
そうして窪塚によってベッドに組み敷かれた私は、ゆっくりと身体にのしかかってきた窪塚に熱のこもった眼差しで愛おしげに見つめられつつ、何も纏っていない窪塚自身をたった今受け入れたところだ。
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