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終着点は麓らへんのコンビニだった。
街に近い交差点の一角にあるその店は、
近所で唯一のコンビニだから、そこそこな品揃えだった。
冷えた店内で僕たちは涼んで、その代わりにアイスを買う。
ソーダ味のアイスとソフトクリーム。
ユキミくんはアイスをほとんど食べたことがないらしく、
青い棒状の氷が食べられるものかどうかを終始怪しんで、
口にしようとはしなかった。
「それ本当に美味しいの?」
「うん、美味しいよ。ソーダの味」
「ふーん。でもこっちのほうが絶対いい」
ソフトクリームの、少し溶けてた先端を頬張って、
蕩けた雫を手で掬って舐め取る。
いたって普通の食べる姿だけれど、
なんだか気になってしょうがない。
「ねえ、垂れてるよ」
僕のアイスはいつの間にか先細り始めていた。
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