パジャマパーティー

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 土曜日になった。みんなは五時に来る予定だ。今は十時。私はロングワンピースを着てリビングに行った。お母さんに言う。 「パジャマと餃子の材料を買いに行くんでしょう。一時になったら行こうか?」 「そうだね。パジャマはシナモロールにするんでしょ。サンリオショップがあるショッピングモールに行かなくちゃね」  お母さんはそう言って口角を上げた。  車に乗って出発だ。今日は晴れている。梅雨の前は晴れだと夏のように暑い。お母さんが冷房を点けた。  四車線の国道を二十分くらい走ってショッピングモールに着いた。立体駐車場から店内に入るとペットショップがあって、おもちゃ売り場がある。その隣が本屋だ。 「怖い本も買ってもいい?」 「まあ、本だから勉強になるし、いいよ。怖い本が好きなのね。恋愛小説とかは読まないの?」  どきりとした。お母さんは私に好きな子がいることを知らないはずだ。 「今日みんなで暗闇にして怖い話をするの。そうだ、暗闇といえばあと鈴を買わなくちゃ。百円均一に売っているよね」 「あー、パーティーグッズね。鈴なんかどうするの?」 「まあ、お母さんは知らなくていいよ」  私は怖い小説を二冊選んだ。お母さんは表紙絵を見て両手で自分の体を包んだ。私は笑った。大人のくせに可笑しいな。  白地にピンクのシナモロールの柄が入ったパジャマを見つけた。前がボタンでズボンだ。私は口が綻んだ。お母さんが買ってくれた。
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