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神殿内の一所に、マテナは佇んでいた。
「やっぱりここだったか」
背後から聞こえた声にマテナが振り返る。
そこにはポセイドゥンの姿が。少し遅れてハテスも姿を見せた。
「もうじきセウズとユノが帰る。出迎えの準備をするぞ」
「ええ。今行きます」
マテナが返事すると、二人は神殿の正面へと回った。
「パラスの想い、しっかり届いてますよ」
マテナは最後に首だけ振り返り、そんな言葉を残した。
神殿内の農園。そこには立派な実をつけたオリーブの木が。
その姿は、立ち去るマテナを優しく見送っているように見えた。
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