EAST MIDDLE

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───その頃。ムルムルが慌てたように飛び立った「央」跡地付近では、新たな異変が起きていた。 ドサッ 周囲の人物の鼓膜を揺らす、何かが倒れる音。 「七菜ちゃん!?」 倒れたのが七菜だといち早く察知した美波が、慌てて抱き起こす。 「・・・くうにいさま」 うわごとを言うように、意識が朦朧とした状態の七菜が小さく口を開く。 『陸獣』の攻略を見届けた巨大な一つ眼、『AI』。 七菜の才『コンパイル』によって生み出されたその眼は、彼女にとって一つの大きな山であった。 その山を超えたことで、七菜の意識は深い眠りについたのだ。 「・・・・いまのは」 その時。美波のアホ毛がピンっと跳ねた。 彼女の顔に浮かんでいた緊迫の色が、より一層濃くなった。
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