やっちゃんのお父さん

「まずは？」

お父さんがおばちゃんに聞くと、

「公園かな。裏山の。」

と言う。ターザンロープの所？と私が聞くと、おばちゃんが頷く。

「よく、二人連れて遊びに行ってたでしょ？」

私たちが頷くと、お父さんが、しゅっぱーつ、と言って車が動き始める。

「いなかったら、次はどこに行く？」

やっちゃんがおばちゃんに聞くと、おばちゃんがうーん、と考える。

「サッカーしてた広場、自転車の練習した公園、映画館、ローザントッテ、池・・・。」
「ローザントッテ？」
「アイス屋さんだよ。」

私がお父さんに教えると、

「アイス屋さんも思い出の場所なの？」

とお父さんがおばちゃんにきく。

「妊娠中、あそこのアイスばっかり食べたくて、毎日のように買ってきてもらってたの。やっちゃんもそこのアイス好きで、何かっていうと買ってきてくれて。」

おばちゃんが、嬉しそうに笑いながらやっちゃんの頭を撫でる。

「お父さんはペパーミントが好きだったよね。」

やっちゃんがいうと、おばちゃんが頷く。

「確かに、アイス食って待ってそうだな。」

とお父さんが笑うと、みんなが笑う。