やっちゃんのお父さん

7/11
前へ
/11ページ
次へ
次に行った広場では、みんなで氷鬼をした。 その次に行った公園では、ドロケイと、追いかけっこをして、おにぎりやお菓子や果物を食べた。 映画館では、ポスターを順番に見て、これは面白そう、これはつまんなそう、と言っていき、ポップコーンを買って食べた。 写真を撮ってシールにできる機会があったから、みんなで変な顔をして写真を撮った。 ローザントッテに行って、みんなでアイスを食べた。やっちゃんのお父さんの分のペパーミントは持ち帰りにした。 やっちゃんのお父さんには会えていないのに、やっちゃんは楽しそうで、私も楽しかった。大人たちも笑っていた。 車に乗るとおばちゃんが、 「もう、帰ろうか。」 と言った。 「そうだね、お父さんのアイス溶けちゃうし。」 とやっちゃんが言った。 まだ池に行ってないのにいいのかな?と私は思ったけど、やっちゃんがいいならいいか、と思って黙っていた。 「楽しかったね。」 やっちゃんが言うと、そうだね、と大人3人が同時に言った。 「お父さん、ずっとそばにいると思うよ。」 お父さんがやっちゃんに言う。 「見えなくても、ずっと、やっちゃんのそばで笑ってると思う。」 「そうかな。」 「うん。」 やっちゃんは膝の上のアイスの袋をジッと見て、何かを考えていた。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加