もしもな未来の話

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ホームルームが終わり、リュックを背負い外へ出る。まっすぐ帰れると思ったのに、雨が降っていた。晴れの予報だったからあいにく今日は傘を持っておらず、玄関から出てくる人たちを見送る形になってしまった。友達がいないため相合い傘なんてことは出来ない。 私の思いと反して、だんだん雨は強くなっていく。玄関先に立ったままどれくらい経ったろう。弱まる気配が無いので、このまま帰ってしまおうか。そんなことを考えていた。 「ほい、そこの美少女。これ使って早く帰んな」 「…私の事…ですよね?」 「あんた以外誰がいるんだよ」 「おいキリサ!何ナンパしてんだよ!さっさと行くぞ〜」 「はいはーい!てかしてねーから!!  じゃ、そゆことで俺もう行くから。これ返すのあんたの気が向いたらで良いから……て、おい!ユウ!相合い傘しよーぜ」 そう言葉と折りたたみ傘を残して、彼は友達ののとこまで駆けていった。 二人は校内でも結構有名で、噂に疎い私でも知っている。有名というのは決していい意味ではない。不良、といったところか。顔は二人とも良いらしく、アウトローな感じが女子には人気なんだそうだ。私は小さい頃から『イケメン』という分類は見慣れているから分からないけど。 「あ?俺は彼女しか傘に入れねーって決めてんの」 「いた事ねーだろお前」 「うるさい!これからだこれから!明日にはきっと学校中の女子にモテモテで俺だけのハーレムが…ムフフフフ」 「きもっ!いや〜んハレンチね。何、俺襲われちゃう?」 「女子って言ってるだろ女子って!!キリサはどう見たって男だろ」 相合い傘した男二人がそんな話をしてるのが聞こえる。続きは遠ざかっていき聞こえなくなった。 驚きでそのまましばらく立ったまま、もう見えないはずの後ろ姿を見つめていた。 はっと我に返り、家に帰ることにした。
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