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=たいちょうのおやくそく=
1.おてつだいをがんばる
2.ひとりであぶないばしょにいかない
3.しらないひととおはなししない
4.かくしごとはしない
部屋の一番目立つ場所に張られたその紙をおばあちゃんと2人で見上げていると、急におばあちゃんが「ひとし隊長!」と大きな声を出したので、ぼくも負けずに大きな声ですぐに「なんでしょう?おばあちゃん隊長!」と答えた。
するとおばあちゃんはまたにっこりと笑って
「畑に行ってお昼ご飯用のトマトを収穫したいと思います!ひとし隊長!お手伝いよろしくお願いします!」
と言ったので、ぼくも笑いながら
「もちろんであります!おばあちゃん隊長!」
と元気よく答え、そして2人で畑にトマトを取りにいった。
お昼ご飯を食べた後、ぼくはひとりで裏山で遊ぶことにした。おばあちゃんはお昼からも畑の用事があるらしく「お約束、忘れちゃだめだからね!」と言った後「気を付けてね。あと、暗くなる前に帰ってくるんだよ」と付け加えてニコニコと送り出してくれた。
ぼくは裏山に入ると、いつも遊んでいる場所まで一目散に駆け抜けた。
ぼくだけの大切な場所。木と木の間が広場みたいに開けている場所。いつもここでベンチみたいに座れる大きめの木を探してはぐるりと囲むように置いてみたり、草を抜いたり石をどけたりして足元を整えたりして、ぼくだけの秘密基地を作ろうとずっと頑張っているのだ。
お母さんも秘密基地を作ることには反対をしなかったし、この周りなら危ない場所にはならないから”たいちょうのおやくそく”もばっちりだ。
「うーん、ここに坂道みたいな屋根が欲しいなぁ」
今日は長めの木の枝や、草を沢山集めて積み重ねながら、ぼくの家を作っているて、だいぶ出来上がった家を少し離れた場所から見ながら、ぼくはそうつぶやいた。長い枝と草もいいけど、大きい板をどーんと乗せたらもっとカッコイイ家になるんじゃないか。そう思ったぼくはきょろきょろと辺りを見回したけど、板はこのあたりでは見つからなかった。
「落ちてないかー」
無いと思えば思うほど、板が欲しい気持ちはドンドン膨らんでくる。
「あ、あっちのほうにあるかもしれない…」
いつもなら行かない、背の高い草の生えている場所。あそこならまだ色々なものが落ちているかも。そう思ったぼくの頭に
”たいちょうのおやくそく
2.あぶないばしょにひとりでいかない”
というお約束がふとよぎった。でも、そんなに遠くまで行くわけじゃないし、危なくない!大丈夫!と自分に言い聞かせながら足を踏み入れる。
ぼくと同じくらいある背の高い草をかき分けて進んで行くと、急に周りの草がぼくの膝くらいの高さに変わった。
「あれ?背の高い草はここまでなんだ?なんだか不思議」
そうつぶやきながら、きょろきょろと辺りを見回しながらちょっとずつ進んで行くと、少し離れた場所に白いものがぴょこぴょこ移動しているのが見えた。
「ウサギさんかなぁ?」
草の上に白い頭みたいなものがちらちらと見える。ウサギのようにぴょんぴょん跳ねているのかとおもったけど、じっと見ているとジャンプをしているのではないみたい。それにウサギについているはずの長い耳はどこにも見当たらず、どちらかと言うとつるりとして耳のような突起物は存在していないようにも見える。
「なんだろう?」
ぼくは身を低くしながら、その白いモノの方へと近付いていった。
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