パート5 〜その後〜

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パート5 〜その後〜

「どうしたの?」 「布マスク作るのが終わらなくて」  結局ご飯の準備ができなくてあの人に任せてしまった。 「申し訳ない」 「いいよ、気にしないで。ご飯の支度くらいならできるから」  本当に申し訳ない。 「あと1個作れば終わるから」 カタカタカタカタッ 「終わった〜」 「おつかれさま。はいこれココア」 「ありがとう」  やっと終わった。長い戦いだったぜ。 「お腹すいた〜」 「じゃあ作ってくるね」  あの人がキッチンに向かった。私は依頼主に出来上がったことを報告する。 『布マスク30個、完了しました。これから配達いたします』 ピロン 『お忙しい中ありがとうございます。大変申し訳ありませんが、布マスクが急遽不要となってしまいました』 「……はあ!?」 『こちらで買い取ることができなくなりましたので、お詫びに布代はクレジットでお支払いいたします』 「……」 ガシャン 「どうしたの?」 「……」 「あのくそやろうが!」  あいつ出来上がったことを知っててやりやがったな!  私ができないと思ってたから急遽いらないって言って受け取り拒否しやがった! 「大丈夫?落ち着いて?」 「これが落ち着いていられるか!」  あいつ布代 ”は” 払うって言ってたな。 「やってやろうじゃねぇか」  絶対後悔しても許すつもりはない。 「ふふふっ」 「怖いよ?」 「全額返金させてやったぜ!」 「良かったね」 『キャンセルは早めに連絡をしなければなりませんのでこの度の「布マスク30個」は約束通り納品させていただきます。なお、クレジットでお支払いは不可能ですので現金払いでお願いいたします。』 『それと、早めに連絡をくださらなかったので布代と制作費、キャンセル料を請求いたします。』 『下記の値段は正当な金額ですのでお間違えの無いようにお願いします』 『2万1500円』  頭のおかしいやつにはこれくらいが丁度いい。
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